心理カウンセラー 長谷川由紀のブログ

米国ニューヨーク州公認の心理カウンセラーが心について解説します

感情チャート<感情の種類、どれだけ知っている?>

前回のブログでは、気持ちを落ち着ける方法として、感情を言葉にする(Affect Labeling)というテクニックをご紹介しました。感情を的確に言い表す言葉を見つけるのは簡単なことではありません。しかし、前回の記事で書かせていただいた通り、私は感情表現の上手い下手は資質ではなく、練習により上達することができるスキルだと考えています。

 

こうした考えは、私がこれまで10年ほど暮らしたニューヨークや現在暮らしているシンガポールでは、ずいぶん定着しているように感じます。たとえばシンガポールで娘の保育園探しのためにいくつか園を訪問したときのことです。先生から教育方針について説明を受ける中で、「感情に名前をつける練習を行います。幼少期から自分が何を感じているかを知り、言葉にする能力を身につけることで、自分で心を落ち着けることができるようになります。それは良好な人間関係を育んだり、目標に向かって進んでいく上で非常に重要なスキルです」といった説明を受けることがよくありました。幼児に対する感情教育も進んでいるのだなあと感じました。

 

また娘の予防接種のためにニューヨークの小児科に行ったときのことです。診察室の壁に「今日の気分はどれ?(What are you feeling today?)」と書かれたポスターが貼ってあり、その文字の下には「楽しい、幸せ、悲しい、怒り…」といった感情の名前と共に、その感情を表現した顔のイラストが並んでいました。

 

 

日本を離れてから10年以上経ってしまったため、現在の日本の教育現場で感情について教えられているかどうか分かりませんが、私が幼かった頃は感情について学校で教えられることはありませんでした。そのためこうしたニューヨークやシンガポールでの経験は私にとってとても新鮮なものでした。

 

幼少期から感情に親しみ、きちんと言葉にして理性を保ちながら処理することができるようになれば、思春期に経験する感情の大きな揺れ動きにも対応しやすくなるかもしれません。そしてさらには、感情をうまく処理できるようになることで自分に自信をつけ、なりたい自分になり、より楽しい人生が送れるようになるのではないかと私は期待しています。

 

*学校や職場での感情表現についてワークショップを提供しております。ご検討の方は、こちらよりご連絡ください。

 

 

長谷川由紀

 

☆おことわり☆

本ブログ内の記事は、精神科・心療内科等での治療を代替するものではありません。必要に応じて医師・心理カウンセラー等に直接ご相談ください。また本ブログの事例にて紹介されている人物や状況は、全て架空のものです。セッションを通して伺ったお話をブログにて公開することはありません。