心理カウンセラー 長谷川由紀のブログ

米国ニューヨーク州公認の心理カウンセラーが心について解説します

解釈を変えれば気分も変わる1<解釈は千差万別>

他者と話していて、ものの捉え方、感じ方の違いに驚いたことはないでしょうか。

 

私の場合、親しい友人との間に次のようなことがありました。

 

いつもとても勤勉な友人ですが、ある日疲れが溜まっていたのか始業時間から2時間も寝過ごしてしまいました。いつまでも出社しない友人を上司や同僚は心配し、同僚の一人が自宅まで様子を見に行くことに。友人はドアベルの音でやっと目を覚まし、同僚と共に出社をしたのでした。上司や同僚は友人が無事であったことに安堵して喜び、特に咎められることはなかったそうです。

 

私は友人からこの話を聞いている最中、内心ドキドキしていました。というのも、もし私が同じようなことをしてしまったら、強い罪悪感や羞恥心を感じてしまうだろうと想像し、友人もそのように感じているのではと心配したためです。

 

しかし、友人の反応は全く違うものでした。友人は次のように言いました。

 

「寝過ごしちゃって申し訳なかったわ。でも、これほどたくさんの人が私のことを心配して、家にまで来てくれたことで、たくさんの愛情に支えられて生きてるんだなと実感したの。今日は良い一日だったわ〜」

 

友人は心底幸せそうなでした。私は大変驚きました。私が同じ状況に置かれたら、「みんなに迷惑をかけてしまった(罪悪感)」「なぜ寝過ごしたりしたのか?!(自己批判)」と感じて、おそらく良い一日とは思えないだろうと想像したためです。

 

もちろん朝寝坊については反省して、同じミスを繰り返さないように対策を講じることは大切です。しかし、一度対策を講じたら、それ以上朝寝坊について自分を責めたり、クヨクヨしたりする必要はないでしょう。一つのミスでその一日を落ち込んで過ごすより、友人のようにたくさんの人々に愛され支えられていることに感謝し、幸せに感じられた方がずっと生きやすいだろうと私は思いました。

 

 

このように、一つの出来事に対する捉え方、感じ方は想像する以上に人それぞれです。しかし私たちは無意識のうちに身の回りで起きた出来事を瞬時に解釈し、その解釈を唯一の「真実」と思い込みがちです。

 

解釈の仕方がいつもネガティブになりがちな場合、うつや不安症といった症状につながることもあります。ご自身の解釈の癖にとらわれず、様々な解釈が存在することに気付き、その中からより前向きな解釈を意識的に選ぶことによって、生きづらさが緩和されていくかもしれません。

 

次回の記事では、ご自身の解釈の癖にとらわれず、複数の解釈に目を向ける方法について解説します。

 

長谷川由紀

 

☆おことわり☆

本ブログ内の記事は、精神科・心療内科等での治療を代替するものではありません。必要に応じて医師・心理カウンセラー等に直接ご相談ください。

本ブログの事例にて紹介されている人物や状況は、全て架空のものです。セッションを通して伺ったお話をブログにて公開することはありません。