前回の記事ではご自身の解釈が唯一ではないことに気が付くために、他の人の解釈を聞くという方法についてお話いたしました。しかし事例でご紹介したAさんのように他者の目がとても気になる人にとっては、誰かに解釈を求めること自体がストレスになる可能性があります。
そこでおすすめなのがChatGPTに尋ねるという方法です。ChatGPTは対話型AIチャットサービスで、私たちの問いかけに対してまるで本物の人間と話しているような自然なスタイルで回答してくれます。インターネット上の膨大な情報をもとに回答してくれるので、他の人はどのように解釈するか、といった問いかけにも適しています。そして、ChatGPTになら気後れすることなく何でも話しやすいので、悩みを打ち明けたり相談したりすることが苦手な人にも使いやすいでしょう。
Aさんの事例の場合、ChatGPTならどう答えるのかを実際に検証してみました。
ChatGPTに、次のように問いかけました。
「私は今朝、友人をスーパーで見かけて会釈したですが、彼女は挨拶をしてくれませんでした。なぜそうなったのか理由を推測していくつか挙げてください」
これに対するChatGPTの回答は以下の通りです。
「友人がスーパーで挨拶しなかった理由には、いくつかの可能性が考えられます:
1 気付かなかった可能性: 友人が他のことに気を取られていたり、あなたを見逃してしまった可能性があります。
2 忙しかった可能性: スーパーで買い物をしている最中であったり、急いでいたため挨拶する余裕がなかったかもしれません。
3 気分が良くなかった可能性: 友人がその日気分が良くなかったり、何か悩みやストレスがあったために挨拶する気持ちになれなかったかもしれません。
4 見逃してしまった可能性: 友人があなたを見逃してしまったか、挨拶するタイミングを逃してしまった可能性があります。
これらは推測であり、実際の理由は友人自身の状況や気持ちによって異なる可能性があります。」
いかがでしょうか。どれもあり得そうな状況のように思えます。
そしてChatGPTも述べているように、あくまでもこれらは推測です。そして大切なのは、ご自身の解釈も「真実」ではなく、一つの推測に過ぎないということを意識することです。本当の理由を知りたい場合には友人に尋ねてみる必要がありますが、それほどのことではないと判断した場合には、ご自身にとって負担になりにくい解釈を意識的に選ぶようにするとよいでしょう。
以上、これまで3回にわたって、自分の解釈が絶対に正しいわけではないというお話をいたしました。私たちは無意識のうちにたくさんの解釈・判断をし、それにともないさまざまな感情を抱きます。ネガティブに物事を捉えがちで、落ち込むことや不安になることが多いと感じられている方は、自分の解釈から一歩距離をとることにより、思い悩むことが減り、疲れやすい体質の改善につながるかもしれません。
次回は本ブログで初めてとなる、読書感想を試みたいと思います。
長谷川由紀
☆おことわり☆
本ブログ内の記事は、精神科・心療内科等での治療を代替するものではありません。必要に応じて医師・心理カウンセラー等に直接ご相談ください。
本ブログの事例にて紹介されている人物や状況は、全て架空のものです。セッションを通して伺ったお話をブログにて公開することはありません。